老成とイノセンス
never young beachというバンドが好きだ。
日本のまだ若手のバンドだが、リリースされている2枚のアルバムはすっかり愛聴盤だ。なんというか、J-POP以前から日本人がこよなく愛し親しんできたメロディの正しい継承者というか、もっと分かりやすくいうと、中村八大や加山雄三が広めたメロディを甲本ヒロトや草野マサムネがロックに持ち込んできた、その流れをしっかりと受け継いでいるような、そんなバンドのような気がする(かえって分かりづらいか)。それも作為的な臭いがせず、なにか先天的なものを感じる。要するにDNAというか。
1枚目のアルバムは結構インディーな雰囲気が魅力だったりしたのだけれど、2枚目では早くもそういったメインストリームな楽曲が並んでいて(いや、今の時代では決してメインストリームではないかしれないけど・・・つまり売れ線という意味ではない)、もう完全にツボってます。バンドのアレンジも素晴らしいのだけれど、この、ほとんど奇をてらわない、ほとんど主張しない、なんてことのない歌詞がまた、若者とは思えない余裕と器の大きさをを感じさせる。
「明るい未来」という曲の一節
流れゆく日々を過ごして
変わりゆく街に驚かされても
二人で並んで歩こう
それすらもきっと歌になる
こんなこと、なかなか20代で言えるもんじゃありません。
老成しているようで、イノセント。
こういうバンドがもっと売れる世の中になるといいのに。